風の谷のハーブガーデン物語vol.1
春の庭を歩くと物語が生まれます。
冬の寒さが通り過ぎて、地上に顔を出した植物たちが、春風に変わるとぐんぐん伸びて、今ではその穂先に小さい花をたくさん咲かせています。
今日は、その中のひとつ
スノーフレークの小さな物語をご紹介しましょう♪
【スノーフレーク】
学名: Leucojum aestivum
和名:オオマツユキソウ
スズランスイセン
科名:ヒガンバナ科
属名:スノーフレーク属
『スノーフレークの灯り』
夕暮れ時
少し肌寒い風がふわっと吹くと、
風の谷のハーブガーデンの花屋さんは、そろそろ店仕舞い。
今度は代わって
ガーデンで暮らしている小さな人たちが
植物たちの見まわりを始めます。
モグラが穴をあけたら、
その土を元に戻したり、
イモムシが葉っぱを食べに土から上がってきたら
「少しだけにしてください!」と
別の葉っぱをご案内したり、
蝶の羽化が始まったら、
そっと見守ったり…。
風の谷では、自分たちで作った
草木染めの作務衣を着た小さな人たちが、
夜のガーデンで忙しく働いています。
「さぁ!そろそろあかりを灯してください!」
春の夕闇で、
エルダーの木の下のスノーフレークに、
優しいあかりが
ひとつ、ふたつと灯り始めると、
あちこちに散らばっていきました。
山口裕子